機械加工技術の概要
機械工作部門は理学研究院・電子科学研究所に所属する機械加工を担当する4名と、電子回路やソフトウェア開発を担当する1名の計5名のスタッフで構成されています。学内での受注件数は年間300件を超え、そのほとんどが一点物の特注品です。依頼元も理系、医系、フィールド(屋外実験)系など様々でそれらに対応すべく、日々技術の研鑽に努めています。
高精度のワイヤ放電加工機をはじめ、マシニングセンタ、CNCフライス盤、CNC旋盤や溶接機、Heリークディテクタなどの装置を保有しております。3DCAD/CAMを駆使した設計から加工・組み立てまでを一貫して行える技術力も備えています。
これら技術的貢献は、下記の論文や特許、JST-JICAプロジェクトへの研究支援などの成果に寄与しています。
加工技術
STAFF
佐々木 康隆
女池 竜二
楠崎 真央
武井 将志
岡田 和見
MESSAGE
図面のないところから
要望を形にする
武井 将志
学内では、私が所属する電子科学研究所のほか、工学部や医学部、文学部など様々な部局からの依頼があります。多くは、理化学機器に関する装置や治具です。ほとんどの場合は、図面がないところから依頼者のやりたいことを聞きながら具体化していきますが、このプロセスは、大学の工作室ならではのものかなと思います。試作ソリューションが始まってからは、我々のような技術を必要としながらなかなかアクセスできない研究者が全国にいて、頼りにしてくださっていると感じています。
「はやぶさ2」のサンプルを
大気から守る装置を製作
過去には、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルを、地球の大気に触れさせずに分析装置に設置するための装置を製作しました。分析装置は依頼主であるJAMSTEC(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)高知コア研究所にあるので、北大の機械加工室で作った試作品を高知に持って行って調整するのですが、試作品を設置した時に分析装置にダメージを与えないように細心の注意を払いました。サンプルを大気に触れさせない仕組みを機械工作室のスタッフ全員で考えたり、現地に持ち込んだ器具が足りないなど想定外の事態を乗り越えて製作したこともあって、特に印象に残っています。
必要なものが揃っている
道具箱のような存在に
3DのCADや数値制御の工作機械の登場で、ものづくりのプロセスは大きく変わりました。部品もあらかじめ設計したものをオンラインで注文できるようになっています。このような時代に自分たち技術職員に求められていることは、研究者が何かしようとした時にいつでも適切なソリューションを見つけることができる、そんな道具箱のような役割ではないかと考えています。以前、研究者と一緒に頭を動かすところに我々の価値があると言ってくださった方がいて、嬉しかったです。
ものづくりは日本の国力を支えている土台だと思いますので、ものづくりへの入口として、学生に機械の操作を教えたり、小中学生の職場見学を受け入れたりすることにも柔軟に対応するようにしています。機械工作のご依頼も、それ以外のことも、何かご希望があれば、ご相談いただければと思います。
加工事例
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2024-11-14
- 機械加工
株式会社メカノクロス 様混合装置のクランプフランジおよび混合装置用反応容器を製作いたしました -
2024-07-22
- 機械加工
京都大学 様Micro Stretcherを製作いたしました -
2024-05-27
- 機械加工
東京大学 様生体試料封入用セルV1~V3を製作いたしました(2021年度) -
2024-05-14
- 機械加工
東京理科大学 様高温測定装置(高温物性測定サンプルホルダ)を製作いたしました -
2022-07-29
- 機械加工
北海学園大学 様オートクレーブを固定するための部品を製作いたしました -
2022-04-20
- 機械加工
北海学園大学 様ステンレス製のプレートの製作をいたしました