ガラス工室では、理学系研究室を対象に、実験・観測などに使用される理化学硝子機器や部品の設計・製作・修理をしております。
- 材質・材料
- 主にPYREXガラス・石英ガラス
- 上記材質のガラス管・ガラス板・ガラス棒
- 作製・改良・修理
- ガラス実験機器・部品等の作製・修理
- 既製品等の改良・加工・修理
ハンドワークと大型機器の併用により、小型・大型両方の加工を可能としています。
今後も精密かつ自由度の高い硝子工作を行っていきます。
私たちの強み
- ガラス旋盤を使用して、大きな製品の製作が可能。(PYREX管Φ150mm程度まで)
- ガラス製作について分からなくても製品の使用方法を説明して頂ければ製作が可能。
- 依頼設計図の構造的に加工無可能な場合でも相談にて代案の提案。
加工技術
STAFF
菅野 孝照
竹内 大登
MESSAGE
ひとつひとつの依頼に手作業でこたえる
竹内 大登
ガラス工作室では、理化学研究に使う器具の製作や修理の依頼をいただくことが多いです。珍しいところでは、芸術系の大学から、作品として展示するための独創的なガラス器具の製作を頼まれたこともありますよ。ガラス工作は全てが手作業で、割れを防ぐために炉に入れてひずみをとる「焼きなまし」という工程も必要になるので、ひとつのものを作るのに時間がかかります。どうしても試作ソリューションとして受けられる注文の数は限られてしまいますが、これまでに作ったことのないような新しい装置を作る機会をいただくことも増え、やりがいを感じています。
50年前の製作物をお手本に試行錯誤
製作に苦労したのは、2年ほど前に依頼があったヒックマンポンプです。高真空を作るための装置で、他のポンプが主流となったことで今はあまり使われていない。30年以上ガラス工作室で働いてきた私も、作っているところを見たことがありませんでした。しかし、50年以上前に作られたヒックマンポンプの現物があったので、それを参考にしつつ、どうしてもわからない部分については先輩のアドバイスももらいながら、最終的には納得するものを完成させることができました。
どんなものでも安心して預けてもらえるように
私は子供の頃から工作が好きで、試行錯誤しながら物を作ることが好きでした。北大の職員になってからガラス工作を始めましたが、今思えば自分に合っていたと思います。仕事をする上では、頼まれたものを漠然と作るということはせずに、より使いやすく、目的に合ったものになるように依頼者と一緒に考えていくようにしています。依頼者の手となり、どんな依頼にも柔軟に対応しながら研究を支える技術者でありたいですね。
ガラス工作は少なくとも3年、10年の経験があってようやく一人前になれるという世界。数少ない技術者のひとりとして、これからは、後進の育成にも力を入れたいです。
ガラスというと割れやすく使いにくいという印象をお持ちの方もいるかもしれません。実際はそのようなことはなく、ガラスならではの優れた特性がありますので、選択肢の一つとして、皆さんの研究に生かすことを考えていただければ嬉しく思います。